しあわせへの助走

生きていて感じたことを気の赴くままに書いていきます

或る土曜日の朝

外は容赦無く風が吹いていて体温を奪われる。駅から家までの道のりが遠く感じた。私は早歩きと小走りの中間くらいの速さで足を進めているけど、一向に体温は上がらない。

暗い部屋に飛び込むように帰ると、先程までの寒さからは一転、少し暖かさを感じる。ちょっとホッとしてからは、コートも服も脱ぎ捨て、部屋着に着替えて顔を洗う。クレンジングゲルは暖かくて、こんな時期のめんどくさいメイク落としの憂鬱から救ってくれる。洗い流す水は冷たくて、オールした後、メイク落としで開いた毛穴を収縮させようと頑張っているのが分かった。タオルは柔らかさを感じるためにただそこにあるだけだったが、顔の水分を拭き取ったせいで濡れて柔らかさを失った。

寒さのせいか、あんまり眠くは無かったのだが、とりあえず電気を消して布団に入る。ぬいぐるみのカピさんを抱き寄せて、寒い布団の中で体温を共有した。