しあわせへの助走

生きていて感じたことを気の赴くままに書いていきます

昔ばなしをしよう

 

massarassa.hatenablog.com

 

らさくんの書いた記事の中で出ていたスナックに私も通っていた。

らさくんはブログを始めたきっかけとして書いていたけど、わたしはスナックに通い始めたきっかけを書いてみたくなったので、つたない文章ながらも残しておこうかなと思う。

 

悪い恋愛をしていた。悪い恋愛には諸説あるが、私も相手も精神的に疲弊していく恋愛だった。

定石通りにその恋愛はご破算となったが、恋だけではない、いろんな感情が混ざりあって低空飛行を続けていた。私個人の感情の問題に向き合ってもらっていたものの、もう離れないといけないと思うようになった。紆余曲折あり、行きついたのがはせさんのスナックだった。

 

恥を承知で書くが私は以前、本当にダメな人間だった。謙遜でなく本当にいいところがない。何かをやり始めても中途半端だし、話もうまくないしかわいげもない。特に仕事が出来たり、頭がいいわけでもない。特別な技能を持っているわけでもない。唯一のいいところは脚がきれいなくらい。だから承認を求めて悪い恋愛を続けられたともいえる。関係性においてもっとも良くなかったのは、私が相手から居場所や気持ちや楽しい時間を与えてもらおうとしすぎたことだ。今でこそそれは、一方的に与えられるものではなく、一緒に作っていくものだと分かったが、相手とはいろんな感情のもつれがあり出来なかった。

お互いに精神的に疲弊していく関係性ではあったが、得られたものもたくさんあった。相手は、それまで会った誰とも違っていた。頭もよかったし、広い世界を知れた。身なりの整え方、センスの磨き方、ダメな恋愛をしている最中に得た知見は私を成長させた。努力の仕方も分かってきたし、一人の時間の楽しみ方も知った。一から十まで、普通の人がどうやって考えて生きてるのかを、教えてもらったと言っても過言ではない。これらは、この先の私を助けてくれると思う。

ところで、私は実家に居場所がないと、ずっと思いながら生きてきた。両親から発せられるメッセージは条件付きの愛情で、それらを発している当人たちは全く気付いていない。幼いころに飼いならされていたので、苦しくても痛みを訴えず、出来るだけ迷惑をかけないようひっそりとしていた。その状態はとても苦しくて、安心して生きられる場所を人生の命題のように探していたのだ。

だから私の居場所問題は切実だった。自分が自分らしくいられる、安心できる場所。

相手は、私が安心できるほど居座ることを許してくれない。それも、頼っている以上は仕方ないと思っていた。そんなことを何年も繰り返す中、もう頼れないなと思うきっかけの出来事がいくつかあった。私は色々と考えたり行動していく中で、居心地の悪さを感じ始めたのだった。ただこのまま関係が切れて、わたしの人生がクローズドな状態に戻ることは避けたかった。

そんな思いから、私は興味のあるイベントに出かけていくことが増えた。幸いイベントに一人でいくことは、でんぱ組の現場に通っていたため慣れていた。出会いを求めるというよりは、知見を増やしたり純粋に楽しみたいという気もちが大きかった。

 

 そんな中見つけたのがはせさんのスナックだった。飲みに行くのは好きだし、面白そうだし、めちゃくちゃ行ってみたい気持ちがあったが、行ったところで緊張と人見知りで上手く話せないのは目に見えていた。結局2か月くらい行こうか行くまいか考えて、ようやく重い腰を上げて行くことができた。大したものを持たない私を、迎え入れてくれたはせさんには本当に感謝しかない。

実際行ってみると普通に生きているだけでは知り合いになれないタイプの人が大勢いて、世界の広さを感じた。大人になるとどうしても、打算やしがらみが多くなってしまうが、そんなの関係なく楽しめる間柄は貴重で居心地が良かった。こういう場って大切にしていきたいし、今後も緩く発掘していけたらな、と思っている。

 

kyusuigy.hateblo.jp

 

私は長年抱えていた居場所問題も、一人暮らしをはじめることによって解決していくことができた。今年に入って恋人もできたし、大変なことや辛いこともあるけど、楽しく充実した毎日を送っている。そのことは(書けるのかという問題はあるけど)年納めのエントリーに書くとして、ここでは一旦一区切りとしたいと思う。